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翻訳の原点 ― 良書です。

久々に本を紹介しようと思います。

今日紹介するのは、辻谷 真一郎氏の著書である『翻訳の原点―プロとしての読み方、伝え方』 (Nova books)です。

翻訳(英文和訳)のノウハウを述べた本ですが、翻訳のテクニック ― 例えば、無生物主語の訳し方 ― などといった細かい話ではなく、もっと翻訳の元となる考え方について述べた本だと言えます。まさにタイトルどおり「翻訳の原点」ということになるのでしょう。

この本は、語句の「情報量」に注目して翻訳すべきであると述べています。
情報量とは何かというと、英文中のそれぞれの語句のもつ「意味の具体性の度合い」といえるでしょう。情報量が大きいほど語句のもつ意味の具体性が高く、訳語の選択肢の範囲は狭いことになります。逆に情報量が小さいほど訳語の選択肢が広いということになります。語句の情報量が大きく具体性が高いと、翻訳時の迷いは少なくなるということです。
よく言われる have、make、provideなどの多義語は、一般に情報量が小さく、訳語の選択肢が広いというわけです。
辻谷 真一郎氏は、情報量の大きいものから訳を確定していくべきだと提唱しています。

氏の提唱する内容は実に興味深く、例えば、不定冠詞、定冠詞の違いによる訳し方の違いの説明などは、なるほど!って思います。

『翻訳の原点―プロとしての読み方、伝え方』 (Nova books)は、これから翻訳を始めようという方にはもちろん、私のように小手先の翻訳テクニックを少しだけかじった学習者も、翻訳というものを違った角度から見るということでお勧めの本です。

『翻訳の原点―プロとしての読み方、伝え方』 (Nova books) 辻谷 真一郎著

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技術翻訳のテクニック

また、良書に出会いましたので紹介しようと思います。
『技術翻訳のテクニック』という本で、著者は富井篤です。

翻訳関連の本と言えば、多くが文芸翻訳を対象にしていたり、特にそうは謳ってなくても中身の例文なんかを見ると明らかに文芸向きというものが多いと思います。

そんな中、この『技術翻訳のテクニック』は、数少ない、純粋に実務翻訳や技術翻訳向けた実用本だといえます。

特長は、なんといっても実務翻訳の中心をなす無生物主語構文について、これでもか、というほど詳しく解説しているところです。正直、本当にちょっとしつこいと感じることもありましたが。(笑)
無生物主語構文の解説のために、ページ数にして60ページを超える量を割いています。全体が200ページですから、この本の3分の1は無生物主語構文の解説ということになります。
たぶんこれ以上、無生物主語構文の解説をした本は他にないでしょう。

そのほか、態の変換、品詞の転換、前置詞、冠詞、to不定詞の副詞用法、省略形、セミコロンの訳し方など、実務翻訳学習するものにとっては本当に“おいしい”内容となっています。
欲を言えば、もう少しページ数を増やしてもよいから、冠詞の説明をもっと詳しくして欲しかったなあと思いました。

残念なのは、この『技術翻訳のテクニック』は、出版中止になっているようで手に入りづらいところです。
私の場合は、Amazonなどインターネットでは入手不可でしたので、丸善・丸の内本店に電話して取り寄せてもらいました。2週間かかってしまいましたが。(^^;

しかし、この『技術翻訳のテクニック』は、苦労しても入手する価値がある本だと思います。いや、プロの実務翻訳家を目指すならば、読まなければいけない本だと思います。

私と同様、実務翻訳を勉強中の方、ぜひ頑張って手に入れて読んでみてください。

『技術翻訳のテクニック』(富井篤 著)

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今日は、翻訳テクニックの学習のために有用な本を一冊紹介したいと思います。

以前、やはり「翻訳テクニックの学習におすすめの本」ということで、このブログで『英文翻訳術』(安西徹雄)
という本を紹介しました。
今日紹介する本も同じ作者のもので『英語の発想』(安西徹雄)という本です。
内容は、翻訳という視点から英語の発想と日本語の発想を比較して論じているものです。本のタイトルは『英語の発想』となっていますが、英語日本語の発想を平等に、いや、どちらかと言えば、日本語の発想の方に重点を置いて論じているのではないかと私は感じました。

翻訳の視点から無生物主語・関係代名詞・話法・時制・受身などについて、英語日本語の違いと、その違いがどこから来るのかを非常に興味深く考察しています。

同じ作者ですから、『英文翻訳術』『英語の発想』の内容は重なる部分はあるのですが、『英文翻訳術』は、翻訳テクニックをより実用的かつ実践的に説明しているのに対して、『英語の発想』は、どうしてそのような翻訳になるのかを本来の英語日本語の考え方の違いという根本的なところに焦点を当てて、学術的に奥深く切り込んで論じています。

例えば、受身については両著書ともに触れていますが、『英語の発想』の説明のほうがよりきれいにまとまっていて、和訳する場合に受身にするべきとき、そうでないときというものがより明確になるのではないでしょうか。

私は、『英文翻訳術』 → 『英語の発想』という順番で読みました。しかし、順番はどちらを先に読んでも構わないと思います。実用的なものから学術的なものへ、または逆に、学術的なものから実用的なものへという違いです。
ただ、両方をセットで読むことをおすすめします。その方が理解が深まりますし、当然記憶に残りやすくなることと思います。

本当にこういう本に出会うと、得したなあと思います。
翻訳がまた一段とうまくなったような気がします。(気持ちだけかも知れませんが...)

See you tomorrow!

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◆ 関連記事
翻訳テクニックの学習におすすめの本」
http://biztranslator.blog108.fc2.com/blog-entry-70.html
◆ 書籍紹介
英文翻訳術 (ちくま学芸文庫) 安西徹雄
英語の発想 (ちくま学芸文庫) 安西徹雄

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この4月から翻訳の勉強を始め約半年が過ぎようとしています。

その間に、翻訳に関する本をいくつか読みました。

私の目指しているのは、文芸翻訳ではなく実務翻訳産業翻訳ビジネス翻訳)です。しかし、いざ実務翻訳の手法やテクニックについて書いてある本を探してみるとまったく見つかりません。私の探し方が下手なのかもしれませんが。
ほとんどが文芸翻訳向けのものです。

それでも、同じ翻訳ですから学ぶべき共通項目はあります。数多く本の中から実務翻訳にも役立ちそうな本を選んで読んでいます。

今日は、今まで読んだ中で、実際に翻訳するときに最も役に立っていると思う本を紹介します。

『英文翻訳術』(安西徹雄著)という本です。

この本は、表向きは特に文芸翻訳向きとか実務翻訳向きとかはうたっていません。中で使用されている例文を見ると、ほとんどが文芸翻訳向けの傾向が強いように思うのですが。しかし実際には、私のように実務翻訳家を目指している初級者にも非常に参考になる内容が書かれています。

たとえば、無生物主語、代名詞、関係代名詞、受動態の訳し方、さらに、many、few、all、every、eachなどの翻訳時の品詞転換のテクニックなどは、実務翻訳でも転用あるいは応用でるものです。

この『英文翻訳術』(安西徹雄著)の中で、実務翻訳にほとんど関係ないと思うのは、話法の訳し方ぐらいでしょう。ビジネス文書の中に話法はほとんど出て来ないでしょうから。それでも書かれている内容には興味を覚えます。

翻訳するときに「原文の思考の流れを乱すな...(中略)...つまり頭から訳しおろしてゆく」(※)という主張は強く心に残っています。

さらに「雨に降られる」や「親に死なれる」などの日本語独特の受動態に関する記述も非常に興味深く読みました。
英語で It rains.(雨が降る)を受動態にすることはできませんからね。英語日本語の違いを改めて考えさせられる内容です。

『英文翻訳術』(安西徹雄著)は 900円余りの文庫本です。内容の充実度を考えると専門書並の2000円から3000円でもおかしくないほどです。買い求めやすく持ち歩くにも便利です。
ぜひおすすめの翻訳指南書です。
(なんか出版社の回し者のような言い方になってしまいましたが、本当に良書だと思います。)

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See you tomorrow!

『英文翻訳術』(安西徹雄著)より引用

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